深くて屈折した愛の物語「蜘蛛女のキス」を鑑賞して

大学生の頃、数多く見た映画の一つです。

予備知識も期待も特になしにいきなり見たので、とてもインパクトがあったのを覚えています。

ほとんどが監獄の中の、二人の男の会話で物語が進んでいきます。

最初は会話もかみ合わず、雰囲気も悪い間柄なのですが、次第に気持ちが打ち解けていきます。

それも実は陰謀がらみだったりするのですが、政治犯と同性愛者の二人なのでどうしてもぎくしゃくしていたわけです。

しかしモリーナの語る物語と、その声に見ているこちらもだんだんと引き込まれていきます。

モリーナはある意味ヴァレンティンを裏切っているわけですが、少しずつヴァレンティンを愛するようになっていきます。

彼を見るモリーナの視線がとても切ないのです。弱みを見せてしまったヴァレンティンに対して親切にするモリーナの姿はいじらしいほどです。

そしてタイトルの「蜘蛛女」は肩が張って腰が括れたクラシカルなロングドレスで登場します。

その美しさも特筆すべきでしょう。

夢と現実と作中の映画が交錯し、密室の中でお互いの愛情もまじりあう濃密なストーリーです。

ちょうど気持ちも屈折していた時に見たので実によく覚えています。

この作品は大人になってから、ぜひ人生に疲れて鬱屈した時を狙って見るのをお勧めします。

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